2/16/2022

オミクロン株と季節性インフル

季節性インフルエンザ(以下、インフルと略す)がどのようにして現在の感染対策になったか(感染症法の5類)を考えるとオミクロン株(あるいはその後の再変異株)が今後どうなるかが見通せる。

インフルはワクチンは毎年のものが開発されている。治療薬も飲用のタミフルなどがそろっている。インフルの感染者は毎年変動するが、ここでは1千万人、その0.1%が致死するとして1万人の死者が出る、として考える。1万人の死者は多いようだが、毎日平均では100人程度だ。他の病人、老人が大部分だが毎日の総死者は3,000人もいるので、そのごく一部に過ぎない。それでも感染症で死に至るのは対策として不十分の誹りを受けるので、感染症の統計はとらなければならない。そこで考え出されたのが、感染者数は特定病院毎の診察数から全体数を割り出し、死者は超過死亡数で判断する簡易法だ。毎年だからこのようにしないと防疫統計部局(保健所など)が疲弊してしまう。

インフルはワクチンも治療薬もあるのに重症化して致死するのは、高齢者あるいは基礎疾患者がインフルに罹るとその死期を早めるからだ。もともとの死因とインフルに罹ったこととの軽重が判断できないから、毎年の死者より超過する数を超過死亡数としてインフルも起因したと判断する。

オミクロン株の感染者数と死者数は(いまのところ)インフルより年間数換算で少ない。ワクチンと治療薬もそろってきたので、そろそろインフル並みに大まかな感染対策に移行すべきときだ。なお、残る問題とされている後遺症の事例が散見されているが、統計としてみた割合はわずかだ。後遺症は主な病気が治癒してもその後に長引く一部の症状なので、必ずしも「後遺」が永久に続くかはわからない。これもしばらくはデータを待って判断する性質だ。

そもそもだが、インフルが毎年のように猛威をふるっているのに、例年以上に対策をアップしないのは、この程度しかできないからだ。病気のリスクと人的資金的資源を確保するリスクを比較した結果だ。医療体制の拡充についても限度があるので、災害時とかパンデミック時には最初から完全対応をあきらめてトリアージ(選択的医療)をすると予告している。

オミクロン株の感染率が大きいままだと、医療が完全に対応することをあきらめるときが必ず来る。それがインフル並みの5類に自然と移行せざるを得なくなるときだ。議論して5類に変更するわけではない。

0 件のコメント:

コメントを投稿