9/10/2021

アボッタバード2011年

アボッタバードはパキスタンの北部山岳地域(フンザ)への入口の町だ。2011年にこの町に潜伏していたオサマ・ビンラーディンが米軍秘密部隊の急襲をうけて殺害された。それまでに2001.9.11同時テロの犯行組織・アルカイダはアフガニスタンでほぼ壊滅していた。主謀者のオサマが隣国に逃亡せざるを得なくなっていた。つまりテロから10年で米国の復讐とアルカイダなどのテロ組織の壊滅の目的は達せられていた。

パキスタン旅行をしたときアボッタバードの目抜き通りを通り過ぎたことがあった。現地国内ツアーのパキスタン人日本語ガイドは「これが有名なアボッタバードだ」と観光地化しているその町を紹介した。パキスタン軍の基地もある地方中核都市だ。人口稠密なその町の郊外にある隠れ家を米軍が見つけ出しパキスタン国の主権を無視して攻撃した。それが不思議になるくらい穏やかな町だった。

アフガニスタンにその後10年間も手こずった米国だが、その混迷の奥底はパキスタンにあったと思えてならない。パキスタンは人口巨大国のインドの片隅にあるが、人口2億人以上の大国だ。インドとの対抗上、中国と友好関係を結んでいるが、国民あるいは政府レベルでも反中の疑いがある。そのしたたかな国が米国(と中国)を手玉にとっている。

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