6/10/2021

供給者に寄り添う日本人

新型コロナ感染対策で、増加する患者を受け入れる医療体制の拡充を要求するのが普通の国民感情だと思っていた。ところが、この1年以上一貫して医療体制を守るために感染者数を抑えなければならないという世論が続いている。

医療という供給者第一の考えだ。昔から農業国であった日本では「ごはん一粒もお椀に残したらお百姓さんに申し訳ない」と教育されてきた。これも供給者としての農業重視の考えだ。米価は消費者のために安くあるべきで輸入米ももっと導入すべきだ、というのは主要な意見とはならなかった。 

たぶん生産能力が圧倒的に不足してきた時代が続いたせいだろう。いまはデフレの時代が30年も続いている。ものが溢れて物不足は考えられなくなっている。ところが以前からの供給者第一の考えからなかなか脱することができなく、医療者のためにも病気にならないように、という倒錯したニッポンとなっている。

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