2/24/2021

COVID-19は大都市病

以下、総括には少し早いかもしれないが、
COVID-19ではこのウイルスが無症状でも感染させる性質がとくに問題となっているが、感染治療での致死率は破滅的に高いわけではない(エボラ出血熱とかSARSに比較して)。しかし、感染予防のための行動変容規制が長引いていることが社会経済生活に支障となっている。また、グローバル化の時代になって国境を無症状感染者が容易にまたいで広めてしまう「水際作戦がとれない」ことと、人類の長くにわたる感染史での位置づけは「大都市病」といえるのではないか。

感染症は人類史の都市化とともに流行が始まった。ヒトからヒトに感染するから、人口稠密な都市の発展に特有な現象だ。かつては細菌性のペスト、コレラなどが脅威だった。これらは水を介して経口で感染する。そこで上下水道整備など都市生活環境の改善が図られ、ほぼ撲滅ができた。また、ヒトからヒトへ蚊を介するマラリア、黄熱病なども蚊の生息域の水たまりをなくすことにもなる下水道整備で撲滅されつつある。しかし、空気を介して呼吸器に感染するコロナかぜ、インフルエンザなどは人間同士の感染防止距離を保つなどしないと防げない。これが大都市周辺スラム街では困難となって、感染が爆発的になっている。

米国、ブラジルなどの近代的大国でも大都市周辺には貧困者が劣悪な条件下で居住しなければならないスラム街が付随する。貧富の格差が激しく、それを少しでも克服するには農村から都市に出て条件のより良い就業機会を得なければならない。だから、生活経費を安くするため、人口密度が極端に高いスラム住まいになる。同居家族には新型コロナ感染は防止することが困難な上、近所の住民も感染距離に住まっている。貧困から症状が軽くても無理して仕事に出かけなくてはならない。感染拡大にはこれ以上の条件はないくらいだ。

日本では感染はこれらの国々ほどではないが、過密大都市の東京での感染拡大が問題だ。東京の人口は日本全体の11%程に過ぎないが、感染者数は一時は全国の半数、いまでも1/3を占めるほどの数だ。これも大都市病の現れだろう。

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