7/18/2020

防疫の基本を守れない地区が残っている(米伯)

新型コロナウイルスの感染が急速に広がっている南米のブラジルでは、最大都市のサンパウロで特に状況が深刻な貧困地区の住民を対象に集中検査を行ったところ、2500人のうち3割を超える人の陽性が確認されました。(NHK)  ブラジルの人口は2億人、そのうち2百万人が感染している(世界第2位)。感染率は1%だ。それが貧困地区に限ると30%を超える。統計上あきらかな有意差がある。  貧困地区では24時間、三密環境から逃れられない。ステイホームを命じられても、そこも三密、そして、生活のためには危険とわかってはいても外出しないと稼げず生きていけない。手洗いの水にも欠ける貧困だ。そこで感染が拡大しないはずはない。  このように国民の平均統計に加えて、属性(ここでは住居地域)で統計を取らないと、感染の原因がわからない。  世界一の感染国・米国も貧困地区での住まい方がブラジルのファベーラと似ている。貧富の差が激しいことからこのような地区が放置されていることも同様だ。両国ともに新自由社会で国家権力がこのような弱者保護の分野に関わらないようだが、ことは公衆衛生問題だ。最低の都市計画には関与して、衛生的な最低の環境は確保したほうがよい。  日本で爆発的感染が免れている(感染率0.02%)のには、この二国と比べ、上下水道整備などで都市が清潔に保たれ、住民の衛生意識も高いことが理由であることは、「反面教師的」に考えればすぐにわかることだ。ウイルスの変異とかではない。

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