ガイドはアンコールワットの本番に備えての練習用の寺院建造だと言っていた。でも、このベンメリアにも多大の労力がかかっている。放置したのはアンコール王朝が衰退し補修・再建の資力がなくなったからだろう。当時は大変だった石材の遠くからの運搬は必要ない。散乱したものを積み上げるだけで元に戻る。練習したとすれば確固とした基礎の必要性だろう。
関連するが、このような世界に見られる石造遺跡で天井がないのはそれが木製だ(っただろう)からだ。写真ではアーチ型の石造屋根は残っている。カンボジアは熱帯ジャングル地帯で、いまも昔も原木には事欠かない。一方の石材(砂岩)は遠い山岳地帯から運ぶ貴重品だ。木材天井も建物には不可欠だが、建物自体が崩壊して使われなくなったので、なしのままだ。
最新ニュースの首里城焼失だが、木造建築で永久に保つものはない。建築技術が伝承されていれば、20年ごとの式年遷宮と同じ考えで再建すればよい。大騒ぎする理由がわからない。焼失前のものも再建物で、歴史的価値はない。火事はある確率をもって繰り返される災害だ。絶対に失火しない、あるいは、落雷などの自然発火は防げない。
原発事故も津波などの自然災害からは100%は防止できない。その確率が極端に小さい(年確率1/1,000とか)から、「事故が起きたら対処する」考えでよい。木造遺産と同じでよい。
日本人にはこのリスク管理ができない。事故は少ない確率で起き、それにどのように対処するかが知恵の見せ所だ。ゼロにできないリスクを無限に減じようとするのは無理な場合がある。(再建後の首里城建築にスプリンクラーとか配置しまくるのであろうか?)
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