11/18/2019

海水面上昇は何cm?


1枚目の図は世界の海水面の状況、2枚目は日本近海での観測結果だ。いずれもこの百年の変化が読み取れ、世界のそれは単調に10数cmの上昇、それに対して日本近海は上昇、下降、上昇と繰り返した結果10cm程度の上昇にとどまっている(矛盾する)。

 海面上昇の要因としては海水温上昇による膨張が主だ(IPCC報告書)。20世紀後半は一時寒冷化が進んだので、水位が下降したのは頷ける。一方、地球温暖化で海水温が上昇すれば海水膨張により水面が上昇することも。

 かつての氷河期に氷河の陸氷に地球上の水分が固定され、海水面が大幅に低下し、あるいは、縄文時代の温暖化で海水面が数メートル上昇したのとは、この百年の変化は違うように思える。陸氷(南極とグリーンランド)の収支が海水の増減にどれほど効いているのかもわからない。

 いずれにせよ、今後とも世界各地での潮位観測が必要だ。そして数10cm程度の上昇では防災上困難になるほどの影響が出ないことはもっとPRしてよい。ベネツィア、南太平洋諸島のように地球温暖化による平均海面の上昇にすべての高潮現象の原因を押しつけず、もし高潮災害の対処が必要なら、温暖化適応策としてのインフラ整備の着実な促進に結びつけてほしい。

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