2/14/2019

桜田失言という予定原稿


問題(となっている?)の発言は記者団からの質問に答えたものだ。

記者の仕事を解説すると、まずは予定原稿を書く。そして、その裏付けのための取材をする。

 人気の池江選手の病気発表について、桜田大臣はきっと失言をする、と見積もって原稿を予定し、記者団は質問をした。そのなかに「がっかりした」との「失言」を確認して、予定原稿を充実させた。しかし「がっかりした」のは病状に対してのものでない。池江選手には「頑張ってもらいたい」と答えている。

 個人的なことだが、わたしも仕事に関して記者の取材を受けたことがある。延々と似たような質問をされた。ある答え方をしたところで取材は終了、次の日の記事にはその最後の答えが載った。予定原稿にあう答えが得られたらそこで取材は終わりとなる。
「金メダル候補で、日本が本当に期待している選手なので、がっかりしている。早く治療に専念して頑張ってもらいたい。また、元気な姿を見たい。オリンピック担当大臣としては、オリンピックの水泳の部分には、非常に期待している部分があるんです。 一人リードしてくれる選手がいると、みんなその人につられて全体が盛り上がりますからね。そういった盛り上がりが若干下火にならないか、心配しています」(桜田五輪相発言全文)
 この発言のどこが問題なのかわからない。強いて言えば、五輪担当大臣として東京五輪を迎える体制を国としてとりまとめる立場なのに種目、金メダル(がっかり)のことにまで言及しすぎだ。選手の育成に関してはスポーツ庁の鈴木長官に任したらどうか?スポーツ庁にしても特定の選手に肩入れするのは問題だ。もちろん、一般的に若い有望な選手が病魔と闘っているのは感動的だし、支援したい(と、すべての大臣が言ってほしい)。
 どうでもよいことに貴重な国会質疑時間を浪費しないでほしい。五輪の準備に瑕疵があるなら問題だ。大臣にはその職務に関して質問するのが立法府の役割だ。たぶん、安倍内閣に糺すべき攻め手がないのだろう。

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