今回の米価高騰は2024年「米騒動」と呼ばれつつあるそうだ。本家の1918(大正7)年の米騒動が歴史上有名で、その時と騒動の理由(悪徳買い占め説)は同じだと思わざるを得ない。その点で、日本国民の考えは昭和の100年間を越えても進歩していない。
今回は農水省の減反調整策が失敗して供給が少し足りなくなって値が高くなったまでは当然の成り行きだった。問題はその後で、各流通段階でコメの在庫量を「先行き高値」思惑で増やしたので、2倍以上の急騰になった。さらには生産農家で出荷を少し控え、消費家庭でも少し余計に買って(先行き高くなると思えば安いうちに買いだめする)、その間の集荷業者、何段もの卸業者でも少しずつでも在庫量を増やせば、全体として供給量は激減する。小売のスーパーの棚では高値の値札だけの空棚が増えた。
自由市場商品になったからには思惑で売り惜しむのは完全に正当な行為だ。コメは生鮮野菜と違い保存が効くからなおさらだ。もし農水省が適正値段に戻したいなら、「冷やし玉」の追加供給(いまは備蓄米)を増やし続けるしかない。その全体量100万トンで足りなければ、餌用などのミニマムアクセス(MA)輸入米で供給し、また、その追加輸入を図るしかない。
ただ、これから三ヶ月が過ぎて8月に2025年産米が流通するようになれば、思惑で在庫していた2024年産米は古米になって値が下がってしまうから、その前に市場に姿を見せるだろう。このように思惑相場は一年間限りのものなので、自然と異常高値が解消するのを待つしかない。
0 件のコメント:
コメントを投稿