7/12/2022

家族内トラブルが社会に最後まで残った

母親が入信した頃、山上容疑者は高校生で、母親はまもなくして自宅を売却し、02年に破産宣告を受けていた。時期的に多額の献金が原因だった可能性がある。(読売)

 社会の支配構造が民主的になっても、社会のいざこざを裁定する裁判機能は必要であり続ける。民主社会以前の鎌倉幕府は武士の間の紛争仲裁を期待されて成立した。

 現在は司法制度は完備されているが、唯一介入できれていないのが、家族内のトラブルだ。山上容疑者の気持ちに立ってみれば、母親の入信とそれに伴う経済的損失問題はどこにも持って行きようがない。そのような出口が見えない失意を抱いたとき、ほとんどの人はあきらめるが、解決しようとする一部は自暴自棄的になりやすい。何か大きな騒ぎを起こせば、この苦境が社会に分かってもらえると、自己の破滅を賭けてする。安倍氏はその何か大きなことの対象になってしまった。

 殺人事件で一番多いのは親族間のトラブルによるものだ。関係ない人を通り魔的に殺しても意味が全くないからだ。社会の最小単位での家族内のトラブルを解決する、これが子どもの虐待防止などにもなる、こども家庭庁の最大の仕事となると思うが。

 幸い政治思想的な背景はなかったが、残ったこれらの問題を解決しないと幸福な社会とはならない。

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