COP30がブラジルアマゾン川の河口都市・ベレンで開催中だ。国連気候変動枠組条約にもとづくので、アマゾンの熱帯雨林が二酸化炭素の最大吸収源であることを広報して開催都市を決めたのだろう。
しかし、熱帯雨林を含め森林はCO2の吸収源とはなり得ない。樹木も生物なので生存のためのエネルギーは炭素を酸化して得られる(呼吸作用だ)。樹木体を生成・成長させるための光合成は昼間だけの作用で、そのときは二酸化炭素を吸収する(光合成)。光合成が勝るのは樹木が生長し炭素分が樹体に取り込まれるときだ。差し引き二酸化炭素吸収は樹木の生長量に等しくなる。成熟した樹木は成長率が鈍るので、炭素吸収は多くは期待できない。むしろ、成木を伐採(あるいは山火事で焼失)したあとの裸地からの草木の成長過程が二酸化炭素の吸収が最大となる。
細かな比較はできないが、熱帯林を伐採したあとの畑地での収穫物中に炭素量は豊富だ。それを人類の栄養の炭素源とすれば、その分は大気中の炭素を固定したのと同等となる。炭素が循環したことになる。
もちろんだが生物多様性条約に基づくCOPだったら、話は別だ。開拓農地に依存する生態系より熱帯雨林に現存する生態系の方が多様性において豊富だ。森林を守る、といったときの目的を区別することが肝要だ。
熱帯雨林は広葉樹なので季節の変化で大量の落葉がある。それらが地層に固定されれば炭素固定になる。しかし、それらは温暖化ガスのメタンガスの発生源になりはしないか?