フジテレビのセクハラ社内体質事件と原発再稼働審査は似ている。どちらも問題是正の方法は明らかだが、世間にわかってもらうために儀式が必要なことだ。
フジテレビ社は一刻も早くCM解禁をしたい。CMを出す企業にしても同様だが、世間が許さない限り急いては危ない。そこで第三者委員会で慎重審議をしてフジテレビ社に勧告してもらって、同社は即刻受け入れた。もちろんだが、当初広報に失敗した港社長体制はもちろん経営陣は抜本的入れ替えをした。それでもCM解禁には代えられない。問題の所在と解決すべき方法は社員ほぼ全員が知っていたが、それで内部処理しただけでは不可能になってしまったのだ。
福1原発は耐震性はほぼ確保されていたが、津波による浸水高が計画以上だったので予備電源が機能しなかった。他の原発でもこのことを教訓として津波計画の変更と避難計画の改定をすればすむところだ。しかしこれだけでは「世間が許さない」。そこで全原発を原子力規制委員会で長期に審査、対応工事などを施すことにした。委員会でもそのことは承知の上で、時間をかけた。これで世間が許す雰囲気になる。
世間に許してもらう儀式をしないかわりに選挙による洗礼を先に受けてしまって、混乱しているのが兵庫県政だ。