9/26/2024

靖国参拝を政治化したのは誰か?

中国外務省(外交部)によると、王氏(外交部長)は「冷静に事件を扱い、政治化を避けるべきだ」と訴えた。(共同9/24)
事件とは深圳の日本人学校児童が中国人に殺された(9/18)ことで、日本国民が中国をこの件で敵視するようになるのを防ぐべきだ、ということらしい。

だったら、日本の首相が靖国参拝して、中国国民が騒ぐような「政治化」を防ぐ中国政府の責務につながる。中国国内の治安維持は中国政府の仕事だ。戦前は旧日本軍がこのような治安の維持のために進駐した(列強各国とも、中国にまともな政府はなかった)。

また、靖国参拝の是非は日本国内だけのイシューだ。お互いに過ぎた内政干渉をすると、政治化することになる。振り返るに、胡耀邦総書記時代に、中曽根首相が靖国参拝を控えたのは、それで中国国内が争乱になったら、友好的な胡政権が危機に瀕するかもしれないという親心からだった。いまなら、中国政府はその前に抑える警察力はある。

中国政府は国民の訪日旅行で注意を促しているが、全く逆のこと(中国国内の第2の事件)が心配される。

一方、それら靖国参拝など外国に関連するイシューは説明を尽くすことが外交上は必要だ。靖国参拝の日本社会としての意義は中国政府に説明を尽くすべきだ。

9/06/2024

「脱原発と裏金」言葉は正確に

議論をして実りある結論を得るためには言葉の定義を正確に理解することが不可欠だ。

「脱原発」は原発をゼロにするドイツの政策とは違う。ゼロにするなら福島第1の事故後に停止した全国の原発をそのまま廃炉の作業に入ればよい。日本の脱原発は将来、多様な電源が整備されて、原発に頼らなくてもよい状況になったら、原発を廃する。そのような電源開発の努力の姿勢のことを言う。もちろんだが、従来の原発に残る危険性が解決できる「改良型原発」もこの多様な電源の仲間だ。

「裏金」は自民党の主として旧安倍派のパーティ券売り上げノルマ超過分の還流金を政治資金に記載しないままにした法律違反のことだ。検察の捜査が入って個々の違反議員について処分が確定した。未記載状態を裏金と言うなら、いまは裏金ではない。政治資金として修正記載され支出も政治資金なら収支ともに政治資金となった。もし、個人の収入として使ったなら、所得税などの申告が必要だ。いずれにしても疑惑のすべての議員事務所においてこれらの事後作業が済んでいる現在、「裏金」だと現在の政治責任を問うのは適当ではない。

いずれも政治的にバイアスのかかった用語使いだろう。これらで議論が歪められるのは悲しいことだ。